Excelを使っていると、数式を入力したりデータを操作したりする際に、見慣れない記号が表示されて戸惑った経験はありませんか？これらは「エラー値」と呼ばれ、Excelが「計算がうまくいかないよ」「参照がおかしいよ」といった問題を教えてくれているサインです。
最初はぎょっとしてしまうかもしれませんが、これらのエラー値にはそれぞれ意味があり、原因と解決策を知っていれば、ほとんどの場合は簡単に解決できます。
このページでは、Excelで頻繁に発生する7つの主要なエラーについて、その意味、発生する主な原因、そして具体的な解決策を分かりやすく解説します。これらのエラーを理解すれば、もうExcelは怖くありません！
今回は、よくあるエラーの原因と解決方法について、実際の例を踏まえて解説します。
よくあるエクセルの関数エラー
エクセルでよくある関数のエラーは、以下のものがあります。
それぞれのエラーについて、実際のエクセルのシートを例に挙げながら解説していきましょう。
#DIV/0!（ゼロで割るエラー）
まずは、DIV/0!エラーです。
原因
DIV/0!エラーは、数式で、セルをゼロ（0）で割ろうとした場合や、数式が参照しているセルが空白で、それが計算上ゼロとして扱われる場合に発生します。
数学ではゼロで割ることは定義されていませんね。それと同じ理由で、Excelも計算できないためにこのエラーを表示します。
実際の例
下の図のようにA1セルに「1」、A2セルに「0」という値が入力されているとします。
この場合、B1セルで「=A1/A2」という数式を使うと、#DIV/0!というエラーが表示されます。
解決方法
基本的には、数式で割り算の分母になっているセルに正しい数値が入っているか確認し、修正するとエラーは解消されます。
また、ゼロで割り算を行う前に、除数がゼロでないことを確認するために、IF関数を使ってエラーを回避する方法もあります。
=IF(A2=0, “エラー”, A1/A2)
この数式では、A2がゼロの場合に「エラー」と表示され、ゼロ以外の場合に正しい結果が表示されます。
そのほかの事例や解決方法は下のページで詳しく解説しています。
#REF!（無効な参照エラー）
次は、#REF!エラーです。
原因
#REF!エラーは、数式が参照しているセルやセル範囲が、削除されたり、他の場所に移動されたりして、Excelが元の参照先を見つけられなくなった場合に発生します。
実際の例
例えば、A1セルからA5セルまでの数値の合計をB1セルに =SUM(A1:A5) という数式で表示していたとします。
この状態でA列を削除すると、「#REF!」エラーを返します。
解決方法
上の例のように、直前の操作によって#REF!エラーが発生した場合は、Ctrl＋zキーを押して操作を元に戻すとよいです。
元に戻してもエラーが解消しない場合は、参照先を修正するとよいでしょう。
そのほかの事例や解決方法は下のページで詳しく解説しています。
#VALUE!（値のエラー）
次は、#VALUE!エラーです。
原因
#VALUE!エラーは、入力されたデータの種類（数値、文字列、日付など）や特定の関数で選択範囲が間違っているときに表示されるエラーです。
実際の例
A2セルに「100」、B2セルに「あいう」（文字列）が入力されていて、C2セルに「=A2+B2」という数式を使うと、#VALUE!エラーが表示されます。
解決方法
エラーを回避するために、数値と文字列を計算に使用しないようにするか、IFERRORやISNUMBERを使って数値チェックを行います。
=IF(ISNUMBER(B2), A2+B2, “無効な値”)
この数式では、B2が数値である場合に計算を行い、そうでない場合は「無効な値」と表示します。
そのほかの事例や解決方法は下のページで詳しく解説しています。
#N/A（値が見つからないエラー）
続いて、#N/Aエラーです。
原因
#N/Aエラーは、エクセルが数式で指定された値を見つけられなかった場合に表示されるエラーです。
実際の例
A2セルに「リンゴ」、B2セルに「100」というデータが入力されていて、C2セルで「=VLOOKUP("バナナ", A2:B2, 2, 0)」と数式を入力した場合、「バナナ」が見つからないので、#N/Aエラーが表示されます。
解決方法
検索値（検索したい値）が正しく入力されているかどうか、検索範囲に検索値が正しく入力されているかを確認し、修正することでエラーが解消されます。
検索値が見つからない場合にエラーメッセージを表示させたい場合は、IFERROR関数を用いて下のように入力します。
=IFERROR(VLOOKUP(“バナナ”, A2:B2, 2, FALSE), “データが見つかりません”)
この数式では、検索結果が見つからない場合に「データが見つかりません」と表示します。
そのほかの事例や解決方法は下のページで詳しく解説しています。
#NAME?（名前エラー）
次は、#NAME?エラーです。
原因
#NAME?エラーは、Excelの数式内に認識できない文字列が入力されているときに表示されるエラーです。
実際の例
セルA2に「100」、セルB2に「50」が入力されていて、セルC2に「=SUMM(A2, B2)」という数式を入力した場合、「#NAME?」エラーが表示されます。関数名が間違っているためです。
解決方法
正しい関数名に修正すれば#NAME?エラーは解消されます。上記の例では、「SUMM」ではなく「SUM」が正しい関数名です。
そのほかの事例や解決方法は下のページで詳しく解説しています。
#NUM! （数値エラー）
次は、#NUM!エラーについてご説明します。
原因
#NUM!エラーは、数式の計算結果が、Excelで扱える数値の範囲（非常に小さい数から非常に大きな数まで）を超えてしまった場合や、関数に不正な引数（引数として不適切な値）を指定した場合に発生します。
例えば、数値計算が発散してしまったり、本来正の数を指定すべき引数に負の数を指定したりした場合などです。
実際の例
Excelには、扱える数値の範囲に上限と下限がありますが、これを超えた計算を行うと#NUM!エラーが表示されます。
例えば、=10^1000といった10を1000乗するような、非常に大きな数値のべき乗計算を行うと、Excelの最大値を超えてしまうため、#NUM!エラーとなります。
解決方法
エクセルで扱えないほどの大きな数値を計算したいときは、エクセル以外のツールの使用を検討しましょう。
または、桁を落として計算して、「〇〇億」「〇〇万」などのように下のけたを省略することも一つのアイディアでしょう。
そのほかの事例や解決方法は下のページで詳しく解説しています。
#### （表示エラー）
最後に、####エラーです。
原因
####エラーと書きましたが、これは厳密にはエラー値ではなく、セルの内容（主に数値や日付）が表示しきれていない状態を表しています。
セルの列幅が狭すぎて、入っているデータをすべて表示できない場合に、代わりに「####」と表示されるのです。
実際の例
日付データや、桁数の多い数値、あるいは計算結果の数値などがセルに入っているのに、そのセルの列幅が狭い場合に表示されます。
例えば、A2セルに1234567890と10桁の数値を入力していますが、A列の列幅が小さいと下の図のように####が表示されます。
解決方法
最も一般的な解決策としては列幅を広げることです。
「####」が表示されている列の列見出し（A, B, C…と書かれている部分）の右側の境界線をダブルクリックするか、ドラッグして列幅を広げてください。セルの内容がすべて表示されるようになります。
まとめ
Excelのエラー値は、一見難しそうに見えますが、それぞれが計算やデータに関する具体的な問題を示しています。今回ご紹介したエラー値の意味と原因、そして解決策を知っていれば、エラーに遭遇しても落ち着いて対処できるはずです。
エラーメッセージは、問題解決のための重要なヒントです。恐れずに、エラーが示している内容を読み解き、今回ご紹介した解決方法を試してみてください。エラーを一つずつ解消していくことで、あなたのExcelスキルは確実に向上し、より効率的に作業を進めることができるようになります。
以上、このページでは、「【Excelエラー完全ガイド】よく見るエラーの原因と解決策を徹底解説 #DIV/0! #REF! #VALUE!・・・」についてご紹介しました。
